主な研究テーマ

工藤研で行っている/予定している研究テーマの一部です.学生研究テーマも含めて列挙しています.
 卒業研究・大学院での研究テーマの実際の課題は,ディスカッションしながら学生の意欲と趣向により決定します.

*神経物理科学・細胞生物学 (NeuroPhysiology)

 神経回路網の情報処理を細胞レベルで捉え,神経の細胞としての性質や蛋白質機能分子の動態と情報処理過程の関連性を考察します.

  • ・神経伝達物質受容体の発生依存的変動と神経回路網再編成機構の関連性解析
  • ・シナプス可塑性による神経ネットワーク活動パターン変化の解析
  • ・電気シナプスと神経ネットワーク形成の関連性の探求
  • ・神経突起の進展と活動電位伝搬の依存性
  • ・拡散性因子のネットワーク動態への影響
  • ・神経-グリア相互作用の神経ネットワーク形成への影響
  • ・神経新生と神経回路網の再編成機構の関連性探求

*神経ダイナミクス(NeuroDynamics)

 神経回路網の動的な電気活動を捉え、情報処理の原理を,神経生物学,情報工学を融合して解明します.

  • 神経活動ダイナミクスを定量する解析手法の考案
  • 生体神経ネットワークにおけるメモリー機能の解析
  • 神経活動パターン レパートリーの識別・解析手法の考案
  • 自発性電気活動と刺激誘発性電気活動の関連性に関する解析
  • 神経活動の安定性に関する解析

* ニューロ-ロボティクス(Neuro-robotics)

神経細胞と外界とのインタラクションをロボティクスを活用して実現し,知能について考察します.また,ニューロ・ロボットの系は生体の神経と電子機器を接続する手法のテスト環境としての開発も目指します.

  • ・ロボット行動に伴う培養神経細胞の電気応答変化
  • ・Closed-Loop interactionに最適なトランスレータのアルゴリズムの検討
    • (例えば以下のような手法を実装中)
    • 学習型簡略ファジィ推論
    • 自己組織化マップによるパターン識別カップリング
    • Hebb則学習による自律分散アーキテクチャ
    • クラスタ識別結合
    • アンサンブル結合
  • ・信号フィードバック刺激による培養神経回路網のシェイピング
  • ・神経活動パターンに依存した培養条件制御システムの開発
  • ・生体神経回路網ビルトイン型ロボット(完全VITROID)の開発(近い将来の予定)

*知能合成 (Intelligence synthesis

 生体神経回路網を用いて人間のような知的情報処理をする合成知能を実現する試みや,そこから得られた知見を応用して新しい知能システムを創造することを目指します.

  • ・培養神経細胞を用いた連想記憶システム
  • ・培養神経細胞を用いた自律学習型音声認識システムの試み
  • ・モデルニューロンによる生体神経回路網クローン化システムの開発

*再生脳科学(Regenerative Neurobiology.)

 このテーマでは生体神経回路網を用いて、ロボットボディなしの外界とのインタラクションを研究し、モデル化して人間のような知的情報処理をする合成知能について考察します。

  • ・培養神経細胞を用いた連想記憶システム
  • ・培養神経細胞を用いた自律学習型音声認識システムの試み
  • ・モデルニューロンによる生体神経回路網クローン化システムの開発

*神経工学(NeuroEngineering 共同研究を含む)

 このテーマでは、神経回路網に物理的・工学的な操作を加えてこの操作に対する反応を観察することで新しい知見を探求することを目指しています.
また、神経回路網を細胞レベル、組織レベルで自在に操作する技術を開発します.

  • ・多層立体化神経回路アセンブリの開発




(with 産総研関西センター)AISTB.png

  • ・光ピンセットを用いた神経シナプス放出制御に関する研究
  • ・フェムト秒レーザーを用いた単一神経細胞の刺激技術の開発
  • ・レーザー切断によるネットワークサイズの制限と神経活動の変動
  • ・神経活動の制御とネットワーク構造への影響


(with 北海道大学・産総研北海道センター)

  • ・神経細胞パターン配置によるネットワーク構造の制御

*BCI (Brain-Comupter Interface)

 Brain-Computer Interface(BCI) の開発に関する研究を行っています.

  • ・探索型特徴抽出手法によるBCIシステムの探求
  • ・小型携帯脳波計と多種センサ連携によるBCIシステムの開発
  • ・BCIに伴う脳の調整作用の解析
  • ・双方向BCIの可能性の探求(あくまで可能性?)

*認知科学 (Cognitive Science)

 いわゆる「認知科学」の広い分野を含みます.脳波計測、NIRSによる脳血流量計測により人の脳の高次機能を非侵襲に計測しながら、心理学的事象との関連性を解析します.

  • ・準備電位を指標とした行動計画と意識の関連性の解析
  • ・ノイズキャンセリングフォンが脳波に与える影響の解析
  • ・心理時間と脳内情報処理過程の追跡(共同研究を予定)
  • ・眠気と意識に関わる脳波計測解析




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関西学院大学 理工学部 人間システム工学科
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